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Digital Transformation

株式会社Box to Box のDXへの取り組み

Digital Transformation

株式会社Box to Box のDXへの取り組み

1. 企業のDXに対する社会的ニーズの高まり

我が国全体で、データとデジタル技術を用いた業務変革への期待は年々高まっている。生成AI、クラウド、ローカルLLMなどの技術革新により、企業間の競争軸は「ITツールを使うかどうか」ではなく、「データ基盤をどのように構築し、AIと融合させ、競争優位に転化するか」へと移行している。

社会全体では、AIを活用した業務自動化や意思決定支援が急速に広がり、企業間格差の主因が「AIリテラシー」と「データ活用基盤」の有無に移行している。

生成AIが一般化した今、競争優位の源泉は「AIをどう使うか」ではなく、「どのデータで学習させ、どう安全に活用するか」に移りつつある。

この潮流は、制作会社・マーケティング会社・システム開発会社において特に顕著であり、スピード・品質・安全性の三立が求められている。

2. Box to Boxの事業ドメインと強み

当社は東京都港区に本社を構え、企業のブランド構築、マーケティング戦略支援、WEB制作、システム開発など、企業の成長を支えるデジタル領域を一貫して提供している。

「デザインとテクノロジーで企業の可能性を最大化する」という理念のもと、創造性と技術力の融合によりクライアントの課題解決を行ってきた。

また、顧客ごとに異なる課題に対し、企画〜制作〜運用までをワンストップで対応できることが当社の強みである。一方で、業務の属人化・情報分断といった構造的課題も抱えている。

制作業務の一部は自動化されつつあり、単なるアウトプットでは差別化が難しい状況である。

その一方で、提案・設計・運用といった上流工程では、依然として人材の経験や暗黙知に依存する属人的構造が残っている。

3. Box to Boxの理念とDXの関係

当社は以下のビジョンを掲げる。

「人の創造力 × 自社AIで、顧客の未来を設計する」これは、「経験と感覚による制作会社」から「人とAIが協働する知能型企業」へ進化することを意味する。

AIを活用して人の業務を代替するのではなく、社員一人ひとりの創造力を最大化するパートナーとしてAIを育てる。

AIが提案を支援し、人が価値判断と創造を担うという「共創構造」を全社文化として根付かせる。
この理念の実現に向けて、当社は「自社専用生成AI(社内LLM)」の開発をDX戦略の中心に据えている。

4. 理念追求とDX推進を行うためのBox to Boxの体制

当社は、DX推進をコア経営戦略として位置づけ、以下の体制を整備する。
・DX推進委員会の設置(代表取締役がリーダー)
・AI開発リーダー
・データ管理責任者
・営業・制作部門代表

DX推進委員会は、AI開発・データ品質・業務適用の3領域を横断的に統括する。

また、以下のような組織的取り組みを進める。
・社内GPUサーバを導入し、AIモデルをローカル環境で運用。
・Backlogを基幹データベースとし、AIがプロジェクト情報をリアルタイム参照。
・通信はVPN+暗号化、アクセス権限は職位別設定とすることで情報漏洩を防止。
・さらに、外部ベンダーや大学研究機関と連携し、専門性の高いAI技術の確保を図る。

5. 人事面の取り組み

DXを推進する鍵は「人」である。

そのため当社は、社員が安心してAIと共に働ける環境整備を重視する。
社員全員を対象にAIリテラシー研修を実施し、「生成AIの正しい使い方」「情報保護」「AI出力の評価方法」を教育する。
さらに、AIを活用して業務改善提案を行う“AIアンバサダー制度”を設け、社内文化として根付かせる。
また、AI共創型の教育体系を構築し、OJTの標準化・提案品質の均質化を進める。

6. マーケティング・データ活用面の取り組み

当社のDX戦略の核は 自社専用生成AI(社内LLM)とBacklogの連携 による「知識循環型経営」の実現である。

(1)データ活用基盤の構築
社内に蓄積された提案資料・議事録・顧客対応履歴などの知識を安全に統合・活用できる仕組みとして、自社専用の生成AI(社内LLM)の開発をおこなう。
Backlogをプロジェクト管理基盤として採用し、情報整備・構造化・AI学習を連動させることで、データを「資産」として循環活用する体制を整える。

(2)具体的な学習データ項目
以下のデータをAIが継続学習し、提案・見積・改善に活用する。
・営業データ
商談記録、打合せ議事録、提案書、見積履歴、受注・失注理由

・制作・技術データ
デザインレビュー記録、仕様書、進行履歴、工数データ

・社内教育データ
マニュアル、FAQ、社内講習資料

・顧客満足データ
納期遵守率、修正回数、アンケート結果、再依頼率

(3)AI活用プロセス
1.Backlogからデータ収集
2.社内で匿名化・整形
3.GPUサーバでAI学習
4.営業・制作がAIに質問
5.AI出力を人が評価
6.再学習で精度改善

すべてが社内完結で行われ、安全性を確保しつつ迅速な改善が可能となる。

7. 優秀な外部専門家人材の確保

技術の急速な進化に伴い、外部の専門知見を取り込むことを重視している。
AI技術の専門性強化のため、外部ベンダー・大学研究機関と連携し、モデル設計・精度検証を共同で実施している。

将来的にはCAIO(Chief AI Officer)の設置を検討し、AI倫理・セキュリティ・継続的学習を統括する。
また、Backlog・生成AI・データ倫理のプロフェッショナルと協働し、クリーンデータポリシー遵守を徹底する。

8. 戦略の達成状況に係る指標の決定

当社は、DXの進捗を定量的に評価できるKPIを設定する。
・提案書作成時間:4時間→1.5時間(▲60%)
・顧客満足度:15%向上
・案件ナレッジ検索時間:70%削減
・AI利用率:全社員の80%以上
・DX会議:月次開催

さらに、AIとBacklogの利用ログを連携し、生成件数・再利用率・顧客反応を可視化。DX推進委員会が四半期ごとにレビューし、AIの再学習に反映する。

9. DXに対する課題と今後の展望

現状の課題は以下の通りである。
・データ整備の工数
・属人化した業務の棚卸し
・AIへの過度依存リスク
・社員のAI活用スキル格差
・データ倫理・ガバナンスの強化

これらに対し、当社は「クリーンデータポリシーの徹底」を掲げる。

当社は、取得・整備・活用するデータについて高い倫理観を持って扱い、オプトアウト規定に依存した個人単位のデータ提供は一切行わない。
健全性と安全性の高いデータのみをAI学習に使用し、データガバナンスを確保する。
その上で、以下の未来像を描く。

自社AIを“共創パートナー”として全社員が使いこなす会社
・属人化ゼロのプロジェクト体制
・知識循環による高収益モデル
・将来的にはAI導入支援事業として外販も可能

まさに、「学習する組織 × 学習するAI」への進化を目指す。

今後の展望

自社専用のローカルLLMを段階的に構築し、「提案・設計・検証」を支援するAIパートナーとして育てていきます。
クリーンデータポリシーを自社サイト上で明示し、大企業を含むお客様に対して「安心してデータを預けられるパートナー」であることを示していきます。
将来的には、当社で培った 「自社AI+クリーンデータ活用」のノウハウ を、中小企業向けのAI導入支援サービスとして展開し、社会全体のDX推進にも貢献していきます。
日進月歩の技術変化の中で、株式会社Box to Boxはクリーンなデータと自社AI、そして人の創造力を掛け合わせ、お客様とともに新しい価値を創り続ける企業でありたいと考えています。

株式会社Box to Box
代表取締役 松山和樹

Box to Box Inc.